2008年08月02日

ブルガリの時計修理をお断りする理由。

当社は自社工房と熟練職人が在籍する会社という事で、大抵の時計はブランドも含めて
自社で修理を致します。また、特にブランドものは正規サービスセンターへの取次ぎを行う
事も多く、ほぼ全てのブランドを網羅しております。

ところが、そんななか、数少ないながら修理の受付をお断りするブランドがあります。

○メーカーからの部品の供給が無い⇒部品調達が安定しない
○コストの観点から、純粋に赤字に転落してしまう

などが主な理由ですが、その代表格かつ最も店頭でのクレームが多いブルガリについて、
実例を挙げてご説明いたしましょう。

さて、ブルガリの時計は数ある時計ブランドの中でも人気があり、海外で購入される方も
多いブランドです。当社も以前はブルガリの部品供給を受ける立場だったのですが、
数年前よりブランドポリシーが変更となり、アフターサービス部門では部品の外部への
供給を一切ストップしてしまいました。また、修理の受付も基本的に正規取扱店のみと
なってしまい、当社からお出ししても、たらい回しにされた挙句に未修理のまま戻って
きたり、消費者に請求する金額以上の金額を請求されたりなどでトラブルが続いておりました。
機械自体は一般的な機械であり、分解掃除自体は大して難しくは無いのですが、基本的に
デザイン優先のため、内部機械への水分の進入が原因で起こる機械トラブルは部品交換が
必要なケースが殆ど。またブレスレットの破損が多く、最新型のディアゴノでもブレスレットが
ちぎれたりなどのトラブルが出ており、こうなると部品を調達する以外に方法はなくなります。

実用に問題ない範囲で修理して欲しいという事で自社で部品を作成したこともあるのですが、
次に正規のサービスセンターにお出しになられたときに受付を拒否されたという事で大変な
クレームに発展してしまった過去がありますので、これも現在では一切お断りしております。
その後一時は海外から部品を輸入したりなどでしのいでいたのですが、やはり価格や納期が
安定しない事と、特に新作に関しては海外ルートでも全く入手できなかったために、やむなく
お断りする事と致しました。

ところが、熊本には正規取扱店があるのですが、自社で販売された商品以外はお断りされる
とのこと。また百貨店にも取扱がなかった(現在は期間限定で取り扱うようです)ために、
タカヤナギだったら・・・ということでお持ちになる方が多いのです。こちらとしても心苦しい
のですが、却ってご迷惑をお掛けすることになるためにお断りするしかありません。

実際にどのような形なのか、最近の実例を元にご説明したいと思います。
なおこちらの方の場合、弊社の手数料(送料・保険・梱包費・人件費など)として、ブルガリの
請求金額とは別に1万円をお出しされております。

ブルガリへ修理をお出しすると、修理完了後お客さま用と弊社用の2枚の伝票を同封して
返送してまいります。

まずはお客さま用。



修理明細書と国際修理保証書です。
こちらには今回の修理の内容と費用の明細が記載されています。
コンプリートサービス、40950円(税込)
お客様にはこちらの伝票をお渡しし、修理内容の説明などを行います。


次に弊社用の伝票。



弊社宛の納品書です。
こちらには弊社への請求金額が記載されています。
41633円(税込)
修理商品は代金引換で送られるために、記載の金額が問答無用で徴収されます。

さて、この時点で既に683円の赤字が発生するわけなのですが、この金額には更に
下記の金額が含まれておりません。

○弊社からブルガリへ送付したときの送料、および保険料
○受付時のヒアリング、発送梱包、連絡、お渡し時の内容説明などのスタッフの人件費
○受付伝票、発送伝票、梱包材、お渡し時の包装費など
○納期や見積もり、各種連絡などの諸費用


過去に弊社が販売したもので保証書をお持ちいただければ(といってもそれほど本数が
多いわけではなく、相手も内容も分かっているために実際は保証書をお持ち頂かなくとも
大丈夫なのですが)、アフターサービスの一環という事で費用は請求いたしませんが、
とにかく赤字です。弊社も慈善事業ではないために、他店や海外、ディスカウントショップ
で購入されたものを弊社が赤字を出したり、全くの収益なしでお受けするわけにはいき
ません。特に、ブルガリのお客さま用の伝票に金額が記載されない、もしくは受付店用に
金額を記入する欄があれば問題ないのですが、現実にはお客様向けよりも当社宛のほう
が高額になっているために、どんなに事前に説明していても、保証書に記載の金額に
上乗せして手数料を請求すると必ずクレーム発生となってしまいます。大抵不当な利益
を得ていると誤解されるのですが、決してそんな事は無く、本当に赤字なのです。
ご理解いただければ幸いです。

基本的に海外で購入されたりディスカウントで購入されたものは平行輸入品となり、
国際保証書に記載の国内サービスセンターでのみ、受付をするようです。
まずは購入の際にアフターサービスの内容をよくお尋ねになられ、しっかりと確認を
された上でご購入される事をお勧めいたします。
また修理をされる場合、まずは保証書に記載の連絡先に連絡し、どのような流れなのか
ご確認されたうえで修理に出される事をお勧めいたします。

どうかご理解いただけますようお願い申し上げます。  

Posted by 高柳時計店 at 19:10Comments(0)TrackBack(0)時計